いろいろなタイミングが重なり、なんの知識もなく静岡県は熱海に活動の拠点を構えたことがはじまりでしたが、いつの間にかこの街に活力をもらい、気がついたらこの街がとても好きになっていました。温泉観光地という言葉ではくくりきれない魅力に溢れ、知れば知る程のめり込み、あまりにも好きになってしまったので自分なりの方法で何かこの街に恩返しのようなことがしたいと勝手に感じるようになり、そういう気持ちがこの街の写真を撮り始めるきっかけになった気がします。
 
　写真を撮ってるうちに少しづつですが熱海にも知り合いが増えとても親切にしてもらっていますが、自分は熱海に生まれ育ったわけでもなく、この街で働いてるということでもないので、熱海の人という立ち位置とはほど遠く...、しかしこの街にどっぷりと浸かっていないその距離感が功をなしてか、いわば観光客と同じような目線と立ち位置で熱海の日々を主観的になり過ぎず客観的に見つめ続けている気がします。
 
この写真集は熱海市全体というより観光エリアを中心としたその周辺の写真で構成されています。華やかな頃や財政危機なども乗り越えV字回復などと言われる熱海の歴史のうちの、2015年春〜2018年夏までの３年間の熱海になります。世代によって熱海の印象も様々だと思いますが、昔から大切に残されているものと最近の熱海が混じり合った魅力が垣間見れると思います。